なぜ今、ファシズムが蔓延するのか
気候崩壊が資源と食料の欠乏を招く。奪い合いの不安の中で「自分たちだけが生き残る」という排他的イデオロギー ── 選民ファシズム ── が台頭し、戦争が次々と勃発する構造を解明する。
集英社シリーズ・コモン / 「人新世」シリーズ 第2弾
気候崩壊から選民ファシズムへ。
生き抜くためには計画経済!
世界的ベストセラー『人新世の「資本論」』(19言語翻訳・国内50万部超)の著者による最新作。資本主義が招いた気候崩壊、欠乏経済、そして「選民ファシズム」の台頭。破滅への行進をどう止めるか ── 経済思想家が「エコロジー独裁」と「暗黒社会主義」という秘策を提示する。
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戦争と選民ファシズムの時代が到来した。
― 出版社紹介文より
「世界の終わり」を生き抜くための羅針盤を、
この一冊が提示する。
気候崩壊という避けられない現実から出発し、「世界の終わり」以後を思考する試み。
気候崩壊が資源と食料の欠乏を招く。奪い合いの不安の中で「自分たちだけが生き残る」という排他的イデオロギー ── 選民ファシズム ── が台頭し、戦争が次々と勃発する構造を解明する。
テック富豪たちの「ノアの方舟」戦略を批判的に検討し、GAFAMや加速主義がむしろ「身分制経済」を固定化し、99%の人々を不幸にするメカニズムを明らかにする。
計画経済・エコロジー独裁・緑の戦時経済 ── 聞けばゾッとするネーミングの背後にある「破局を最小化する」というラディカルな希望。晩期マルクスの独裁論を経由しながら、著者はその具体像を提示する。
『人新世の「資本論」』から続く思想の進化と、今この瞬間に必要な問いかけ。
19言語に翻訳された『人新世の「資本論」』で「脱成長コミュニズム」を提唱した斎藤幸平が、本書では「気候変動の防止がもはや不可能になったフェーズ2」を正面から語る。楽観論を排し、絶望的な現実から希望を導く、著者にしかできない仕事。
「テクノ資本主義」「テクノ封建制」「加速主義」といった概念を通じて、現在進行形の政治経済の動向を整理する。ヤニス・バルファキスの議論を参照しながら、なぜ技術革新が平等ではなく格差をもたらすのかを解明する。
「計画経済は独裁を生む」というハイエクの命題が、いかにして資本主義の暴走を正当化してきたかを検証する。第5〜7章の経済思想史的考察は、市場万能論への最も鋭い反論の一つである。
320頁・税込1,870円というコンパクトな構成で、数時間で読み通せる。Amazon読者レビューは「文章は平易で読みやすく、中高生でも内容は理解できる」と指摘する。複雑な経済思想を、誰もが直面しうる問いとして差し出す。
全10章320頁。気候崩壊の診断から「暗黒社会主義」という処方箋まで、段階的に論証する構成。
はじめに ── 未来はファシズムだ!
気候崩壊による恒久欠乏経済
テクノ資本主義で進むファシズム
「世界の終わり」と加速主義
計画経済が全体主義を連れてくるのか
「ハイエクの呪縛」を解くために
デジタル社会主義は可能か
ハイエクの盲点と「緑の戦時経済」
晩期マルクスの独裁論
エコロジー独裁への道
暗黒社会主義という希望
おわりに ── 名もなき者たちの「黙示録」
出典: 楽天ブックス商品紹介ページ(版元JPROより)
発売直後から各界の論客が絶賛。
久しぶりに赤線を引きながら唸った。反論したい箇所ほど面白い、稀有な本。
落合陽一(メディアアーティスト)
飽くなき技術革新が人類を救うーーそう囁くテック・エリートが造る「ノアの方舟」にあなたの席はない。普遍的な人類の救済へ、ラディカルな希望をつなぐ書。
三牧聖子(国際政治学者)
「暗黒社会主義」の衝撃。この絶望的な提案が、私たちの大きな希望になる!
國分功一郎(哲学者)
資本主義の暴走による諸システムの崩壊により、少数の富裕層以外は地獄のような苦境に追いやられ始めているという著者の絶望を私も共有している。本書が提言する、新たなる「計画経済」「プロレタリア独裁」の行方を見守りたい。
柄谷行人(思想家)
サイト運営者による、一読者としての記録。書評ではなく、読後に残った感触を書き留めたもの。
真っ黒な表紙に大きく「黙示録」とある。装丁から既に逃げ場のない圧があって、手に取る前から身構える。しかし読み始めると、文章は驚くほど平明だった。第1章「気候崩壊による恒久欠乏経済」は、数字と事実を積み重ねながら「もはや2050年の1.5℃目標は実質的に不可能」という現実を淡々と提示する。お説教ではなく、診断書の語調。その冷静さが、かえって読み手の胃を締めつける。
とりわけ刺さったのは「選民ファシズム」という概念だった。気候崩壊が欠乏経済を招き、欠乏が不安を生み、不安が「自分たちだけが生き残ればいい」という排他的な論理を正当化していく── その連鎖を、著者はマクロな歴史と現在進行形の政治状況(トランプ政権・イーロン・マスク体制)を接続しながら論じる。ニュースで断片的に見ていた現象が、ひとつの論理的な流れとして再配置されていく感覚があった。
第5章「ハイエクの呪縛」の章は本書の核心で、経済思想史として読んでも独立した価値がある。「計画経済は必ず独裁を生む」というハイエクの命題が、いかにして市場万能論の根拠として使われ、批判を封じ込めてきたかを解体していく。「フィードバック制御(市場経済)より、フィードフォワード制御(計画経済)のほうが気候崩壊のような速度の危機には合っている」という工学的な比喩で腑に落ちた読者は少なくないはずだ。
「暗黒社会主義」というネーミングを著者は意図的に採用している。読者に嫌悪感を起こさせ、そこから問い直させるためだ。絶望的に見えるこの提案が、何も変わらずに進む「選民ファシズム」よりもずっとましな未来を差し出している── その逆説を本書の最後まで読んでようやく受け入れられた。
正直に書くと、後半の第8〜10章「晩期マルクスの独裁論」「エコロジー独裁」あたりは、青写真の段階にとどまっている部分も多い。「緑の戦時経済」の具体的な制度設計は、スウェーデンや中南米の事例が示唆的ではあるが、日本という文脈に置き換えたときに何が必要かは読者の課題として残される。それは批判というよりも、本書が提示したいのが「答え」ではなく「問い直し」だからだと思う。
気候変動に関心はあるが「よくわからない」と感じている人、トランプ政権後の世界の動きを思想的に整理したい人、そして「成長しなければいけない」という呪縛から距離を置きたい人に、手渡したい一冊だ。読後に残るのは暗さではなく、「ではどうするか」という問いのほうだった。
― nia-project / 2026年5月 通読
『人新世の「資本論」』を読み、斎藤幸平の思想がどこへ向かっているかを追いたい読者へ。
トランプ再選・ガザ紛争・AI格差拡大など、現在進行中の政治経済現象を思想的に整理したいすべての人へ。
気候変動に関心があるが、「脱炭素」や「SDGs」では足りないと感じている人へ。
「計画経済は悪い」「市場が正しい」という自明視されてきた前提を、経済思想史から問い直したい人へ。
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本書は続編ですが、前著を読んでいなくても理解できるよう書かれています。ただし前著の「脱成長コミュニズム」「コモン」といった概念を知っていると、本書の「エコロジー独裁」「暗黒社会主義」への展開がより鮮明に見えます。
著者が提唱する概念で、気候崩壊が不可避となった「フェーズ2」において、文明の野蛮化を防ぐために必要となる計画経済・エコロジー独裁の体制を指します。ショッキングなネーミングは意図的で、読者の関心と問題意識を呼び起こすために採用されています。
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気候崩壊が引き起こす資源・食料の欠乏経済の中で、一部の富裕層や特権層だけが生き残ろうとし、他者を切り捨てる排他的なイデオロギーを指します。著者はトランプ政権やテック富豪の動向をその兆候として分析しています。
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